サイバー保険とは?
サイバー保険と、サイバーセキュリティや事業のレジリエンスにおけるその役割について理解する
サイバー保険は、データの復旧、法務費用、ビジネスの中断の費用などの、サイバー攻撃による財務的な損失から組織を保護するタイプの保険です。
近年、サイバー攻撃は劇的に増加しています。 2022 年には 4 億 2,200 万人の個人が侵害の影響を受け、数十億ドルの損失が生じました。 1 回のデータ漏洩のコストは、規模や業界を問わず、組織にとって破滅的な額になる可能性もあります。 実際に、データ漏洩の影響から立ち直れない企業も存在し、また、立ち直った場合でも、対応と復旧の費用として数百万ドルかかる可能性があります。侵害への対応のコストは平均で 445 万ドルかかり、3 年間で 15% 増加しています。
これが、すべての組織がサイバー保険への加入を考えるべき理由です。 サイバー保険は、サイバー攻撃が引き起こす破滅的な財務的影響からの組織の保護だけでなく、 インシデント対応と復旧にかかる高額な費用の補償にも役立ちます。
サイバー保険についてのこのナレッジベースでは、サイバーセキュリティとは何か、利用可能なサイバー保険の補償のタイプ、補償や価格設定の際に保険会社が考慮する要素、そして組織に最適なサイバー保険契約を選ぶ方法について詳しく説明します。
レポートの詳細内容:
ハイブリッドクラウドのセキュリティ戦略を構築するためのベストプラクティス
組織が、まだオンプレミスの資産も管理しているものの、重要なシステムと運用をクラウドに移行するのにともない、アタックサーフェスの境界線は曖昧になって消滅しつつあります。 そのため、もともとクラウド防衛のための設計ではない従来の IT サイバーセキュリティ制御を使用している場合は、特に困難が生じる可能性があります。しかし、サイバー保険を確保するにあたり、ほとんどの保険会社は組織がハイブリッドクラウドセキュリティ環境向けのベストプラクティスを導入していることを示すように (そして、継続的に証明するように) 求めてくるはずです。 これは、サイバー保険業者がサイバー保険の申請書にほぼ盛り込むことになる重要な項目となります。
それでは、こうした要件を満たすために組織が導入できるベストプラクティスにはどのようなものがあるでしょうか? このガイドは、それを知る第一歩として最適です。 ガイドでは、考慮するべき以下の 5 つの主要なステップを提示し、各ステップが重要である理由についてのインサイトと、その導入にあたっての推奨事項についても紹介しています。
サイバーセキュリティ保険のインサイト
クラウドセキュリティ態勢を堅牢化するための 7 つのステップ
クラウドセキュリティの侵害はますます一般的になっています。 サイバー攻撃者は、多くの組織が成熟したクラウドサイバーハイジーン手法の実装に苦労していることを知っており、利用できるクラウドの脆弱性を活発に探しています。 攻撃者は気づかれずにアタックサーフェスに侵入する方法を探していて、組織が気づく前に数週間から数か月にわたり潜伏したいと考えています。 安全が確保されていないクラウドは、攻撃者が密かにくぐ抜けようとする出入り口なのです。
サイバー保険業者は、クラウドベースの侵害のコストがいかに高くなり得るかを知っており、また、組織内やサプライチェーンの下流で侵害が起きたときの影響を目にしてきています。 こういった理由で、サイバー保険業者は、サイバー保険の補償内容を組織に提供するか否かの判断を行う際に、クラウドの保護方法について注目するようになっているのです。
このホワイトペーパーでは、以下について詳しく説明します。
- 侵害を防ぐためにクラウドセキュリティを産業化する方法
- 現実に起きたクラウド侵害と、何が侵害を阻止できたか
- 採用するべきクラウドセキュリティツールとその理由
- クラウドセキュリティプログラムの成功を判断する方法
脆弱性管理の状況
今や、世界中の組織にとって重要なのは、「もし」サイバー攻撃を受けたらという視点での防御の構築ではなく、「いつ」攻撃が起きるかという視点での予防となっています。 しかし、防御の構築はどんどん複雑化しています。その理由は、たとえ小規模な組織であっても、そのアタックサーフェスは、含まれる資産が増え、リモートワークを可能にし、オンプレミスからクラウドまでを網羅することから、拡大を続けているためです。 ほとんどの組織、特に適切な脆弱性管理ツールを使用していない組織は、追いつくのに苦労し、脅威環境が進化すればするほどさらに後れを取ります。
もしこうした課題に直面していても、実のところは多くの組織が同じ状況です。 Tenable のホワイトペーパー「State of Vulnerability Management (脆弱性管理の状況)」では、最新の脆弱管理の現状を詳しく見ていき、IT チームとセキュリティチームの現在の役割、その理想的な状態でのあり方についての見方なども考察します。
このホワイトペーパーでは、以下のことについて詳しく説明します。
- 脆弱性管理の主要なトレンド
- 脆弱性の特定、優先順位付け、修正を行う方法
- 脆弱性管理における IT とサイバーセキュリティの関係性
Tenable Community: サイバー保険の頼れる情報源
サイバー保険についてご質問がある場合は、Tenable Community にご参加ください。共通の関心を持った人々とつながり、サイバーエクスポージャー管理や、これがサイバー保険の補償範囲の確保と維持のために果たす役割について知識を深めることができます。
今、次のような会話が交わされています。
サイバー保険レポートのテンプレートを試した方はいますか?
当社は Tenable.io を運用しており、ある顧客のためにサイバー保険レポートのテンプレートを探そうとしています。 今のところ見つかっておらず、これが現在アクティブな機能なのか、また、契約中の Tenable サブスクリプションに含まれているのかについて疑問に思っています。
続きを読むサイバーセキュリティニュース: 6 つの重要事項
サイバー保険業者の Coalition は、16 万社の加入企業からの保険金請求の分析に基づく中間報告書を発表しました。分析結果の中で際立っていたのは、年間収益が 2,500 万ドルより少ない小規模な企業からの請求額が平均で 13万 9,000 ドルだったことです。サイバー攻撃に対する脆弱性が高まっていることが浮き彫りになりました。
続きを読むCompTIA: サイバーセキュリティとリスク分析の親和性
非営利団体の Computing Technology Industry Association (CompTIA) は、レポート「2023 IT Industry Outlook (2023 年 IT 業界の展望)」で、注目するべき 10 のトレンドの概要を紹介しています。その中で特に Tenable の注意を引いた項目は、サイバーセキュリティの指標とリスク分析の結びつきでした。 レポートでは「この構造は投資の判断や、求められるスキルの判断、またはサイバー保険関連の活動の定量化に利用できる」と述べられています。
続きを読むサイバーセキュリティ保険についてよくあるご質問
サイバー保険は初めてという方は、 ご質問があり、どこから始めたらよいか分からない場合は、 こちらのサイバー保険に関する「よくあるご質問」で、一般的な質問と回答をご覧ください。
サイバー保険とは何ですか?
サイバー保険は何を補償するのですか?
サイバー保険への加入は必要でしょうか?
サイバー保険にも種類がありますか?
サイバー保険のメリットは何ですか?
サイバー保険のデメリットはありますか?
サイバー保険のフレームワークはありますか?
サイバー保険は加入する価値がありますか?
サイバー保険にはどのくらいコストがかかりますか?
サイバー保険の申請書にはどのような項目がありますか?
サイバー保険は何を補償するのですか?
サイバー保険が補償しないものは何ですか?
サイバー保険の補償範囲がどのくらい必要かは、どうしたらわかりますか?
サイバー保険業者をどう選べばよいのでしょうか?
サイバー保険の適用を受けるには何が求められますか?
今加入している一般的な賠償責任保険では、サイバーインシデントが補償されますか?
サイバー保険の適用対象から除外されるものは何ですか?
サイバー保険に加入しないことによるリスクはありますか?
サイバー保険の一般的な契約条件はどのようなものですか?
組織のサイバーリスクをどのように判断すればよいでしょうか?
組織が属する業界での、サイバー保険の規制要件は何ですか?
サイバー保険の保険金を請求するプロセスはどのようなものですか?
サイバー保険による補償を自信を持って確保
サイバー保険の申請書を書くことは、ほとんどの専門家、特に、普段は IT やサイバーセキュリティプログラムを担当している専門家にとって、難なくこなせるものではありません。 ここ数年の間に、こうした申請書の内容はほんの数個の質問から、何ページにもわたる、完成にかなり労力を要するものに様変わりしている上に、この書類があれば組織のセキュリティプログラムやコンプライアンスプログラムの全体像を把握できるとは限りません。 これは、保険に加入したい組織にとっても、保険を提供するサイバー保険業者にとっても頭痛の種になっています。
サイバー保険の申請書が複雑化の一途をたどっているのはなぜでしょうか? 長年にわたり、多くの組織は制御を行っているとさえ言っておけばよく、それを証明する必要はありませんでした。 しかし、侵害が増えて対応や復旧のコストが跳ね上がる状況が続く中で、保険会社はもう、申請者の言うことを鵜呑みにはしなくなりました。 保険会社は、組織に対し、制御が実際に設計どおりに機能していることや、脅威環境の変化に合わせてセキュリティプログラムを継続的に評価して改善を図っていることを実証するように求めています。
Tenable のサイバー保険レポートは、Measured Insurance が検証した事前定義のメトリクスを考察することにより、こうした複雑性を部分的に解消することを目的にしています。 これらのメトリクスによって、サイバー保険業者は組織のサイバーリスク態勢についてのインサイトを得られます。また、組織がサイバー保険の補償を確保するのにも役立つとともに、特に組織が攻撃に直面してサイバー補償を利用する必要がある場合に、サイバーセキュリティ制御が保険会社に伝えたとおりに機能していることを確実にすることもできます。
Tenable でサイバー保険の要件に適合
サイバー保険に関する事柄はどれも複雑ですが、それが定期的に対応することではない場合にはなおさら複雑になります。 組織にとって、どのような補償範囲が必要であり、どの保険会社を選べばよいのかを理解するのは難しいことです。 申請書には詳細な情報が求められ、時間がかかる上に、保険料はどんどん高額になっています。
保険会社の側も、課題を抱えています。 保険会社は、リスクの価格を効果的に設定するのに苦労しています。この作業は、組織が抱える実際のリスクや、組織がリスクを先行的に軽減してサイバー侵害の可能性を減らすために何を実施しているかについての全体像をはっきり描くことのない、長い質問票に基づいて行われるのが一般的です。
最終的に、サイバー保険契約を結んで維持できるかは、サイバーセキュリティ制御のベストプラクティスを実装していることと、制御を日常的に評価し、攻撃者がアタックサーフェスへの侵入経路を見つける前にギャップを発見して解消するためのプロセスが整っていることとを実証する能力を組織が持っているかに左右されます。 具体的にどのようなものかは企業ごとに異なりますが、重点的に考慮して対処するべき共通の領域はいくつかあります。 その簡単な確認方法は、Tenable のサイバー保険チェックリストに照らして自組織のプログラムを評価することです。このチェックリストには、サイバー保険加入の適格性を判断するための一般的な質問のリストと、Tenable のサイバーエクスポージャー管理プラットフォームが、こうした要件を確実に満たすためにどのように役立つかの概要が記載されています。
次に示すのは、サイバー保険の申請書を記入する際に聞かれるであろう主要な質問の一部です。
- サイバー資産を検出して完全なインベントリを維持するプロセスがありますか?
- 外部アタックサーフェス、つまりインターネットに露呈しているシステムを監視していますか?
- すべての既知の資産に対して、定期的に脆弱性評価を行っていますか?
- すべての既知の資産に対して、定期的に設定ミスの評価を行っていますか?
すべての質問のリストと、サイバー保険の申し込みの際に Tenable が質問への回答やコンプライアンスの実証をどう支援できるかについての推奨事項をご覧になりたい場合は、こちらからサイバー保険チェックリストをダウンロードしてください。
サイバー保険の確保に向けたプロセスの合理化と証拠の収集
サイバーエクスポージャー管理プラットフォームの Tenable One を使用することで、サイバーリスクの評価を正確に行っており、サイバープログラムの保護に必要なすべてのデータが揃っているということを把握した状態で、サイバー保険の申請書を自信を持って成功裏に完成させ、サイバー保険業者にコンプライアンスを証明することができます。
サイバー保険のブログ記事
ビジネスに適切なサイバーセキュリティ保険に加入する
すべての業界のあらゆる規模の組織が高まるサイバー攻撃リスクに直面している中で、サイバー保険に加入することの重要性が増しています。 しかし、ほとんどの組織はどのサイバー保険会社と契約すればよいのかや、どのようなタイプのサイバー保険の適用範囲が必要であるかを理解できていません。 このブログでは、自組織のリスクプロファイルに最も合致する適切な保険契約を、適正な価格で見つける方法について詳しく説明します。
サイバー保険契約の調達で CISO が重要な役割を果たす
組織がサイバー保険に加入したい場合は、サイバーインシデントからの保護のために適切な制御が行われており、それが設計どおりに機能していることを保険会社に対して実証するための、引受査定プロセスを経る必要があります。 このブログでは、この重要なプロセスで CISO が果たす役割とその変化、そして業界がどう進化しているかについて詳しく説明します。
サイバー保険のオンデマンドウェビナー
ビジネスに適切なサイバー保険への加入を真面目に考える必要あり
サイバー保険への加入と補償の維持は、以前より難しくなっています。 そして、多くの組織は補償範囲がもはや保証されておらず、保険料はどんどん高額になっているということに気づいていないようです。 しかし、必ずしもこのようになる必要はないという明るいニュースもあります。 このウェビナーで、Tenable は Measured Insurance と PNC Bank のサイバー保険の専門家と一緒に、以下のことについて検討します。
- 保険要件を満たす上での CISO の役割
- 人員を新たに雇用することなく保険会社の要求に応える方法
- 準備を確実に行って、加入申請での摩擦を減らす方法
- リスクとコストをより効果的に管理する方法
Tenable でサイバー保険の要件に適合
最適なサイバー保険業者を見つけ、適切な保険契約と補償の範囲やタイプを選び、申請書を完成させて、補償の条件への適合を維持することはどんどん難しくなっています。 これは時間がかかる作業であり、また保険契約のコストは上がり続けています。
課題は 2 つあります。 1 つは、保険業者による質問票の項目が増え続けていても、これで組織のサイバーリスクの実際の全体像を描けるわけではないというものです。 もう 1 つは、チームがこうした質問票への回答に苦労することになり、真のサイバーリスクの実態を決して理解できないかもしれないというものです。
Tenable One はサイバー保険に関するプロセスの簡略化に役立つため、たとえ組織が変化や規模拡大を迎えるときでも、必要な補償範囲を確保・維持できているという自信を持つことができます。
基礎的なサイバーセキュリティ
脆弱性の評価と管理、Active Directory (AD)、外部アタックサーフェス管理、クラウドセキュリティなど主要な柱となる要素すべてにわたるリスク情報を得られます。
包括的な可視性
すべての資産を検出してマッピングするので、オンプレミスとクラウドの両方を含むアタックサーフェス全体で、脆弱性やその他のセキュリティ問題の特定、優先順位付け、修正を実施できます。
サイバーリスクの把握
組織のサイバーリスクを特定して正確に伝達することで、最適なビジネスパフォーマンスを支えるとともに、サイバー侵害が成功する可能性を下げます。