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ブログ通知を受信するNessusが20年目を迎えました!
ちょうど20年前のこの週に、最初のパブリックバージョンのNessusをリリースしました。当時は、この業界に、そして私個人に、これほど影響があるとは思ってもみませんでした。
この間、Nessusはまさに文字通り、脆弱性管理業界を再定義し、セキュリティ業界全体に多大な影響を及ぼしてきました。Nessusは、今日のマーケットにおいて最も広く使用されているセキュリティツールの1つとなっています。Nessusが160万ものマニアックをサイバーセキュリティの専門家にしたと言われることに誇りを感じます。また、Nessusによりキャリアアップできたと話してくれる方は数知れません。こうしたことはいつでも個人的にとても嬉しく感じています。
実は、これまでの経緯に関して、あまり知られていない裏話があります。1998年4月4日、私はbugtraqメーリングリストにメールを送り 、小規模なセキュリティマニアのグループ(「マニア」という語は敬意を込めて使用しています)に過去12か月にわたって取り組んできたあるプロジェクトについて伝えました。そのプロジェクトというのは、50件を超える脆弱性のネットワークチェックをする、グラフィカルインターフェースのLinuxアプリのことです。そうです、50件もの脆弱性です。今でも鮮明に覚えていますが、そのソフトウェアをリリースし、返ってきたフィードバックを反映させたら、何か別のことをしようと考えていました。
でも、寄せられたフィードバックに勇気づけられた私は大学を中退して(両親は喜びませんでしたが、そのことは別の時に話します)、Tenableを作りました。
Nessusが人気を集めた理由
後から考えると、Nessusが人気を集めたのは、次のような理由があったと考えています。
- グラフィカルユーザーインターフェースのあるLinuxアプリケーションというのは、 当時、セキュリティツールとしてはとても珍しいものでした。作成したウェブページにはたくさんのスクリーンショットがあり、そのプロフェッショナルな外観が好奇心を呼びました。その当時の多くのセキュリティツールは、FTPサーバーのどこかにあるコンピューターアーカイブに過ぎず、そこにREADME.txtファイルが置かれているだけでした。
- 私は、適切な場所で、適正な価格で、適切なプラットフォームで、そして適切なタイミングで発表しました。当初、Nessusは(当時独占状態であった)IISと機能対機能で競合することはありませんでした。NessusはLinuxベースであり、セキュリティの専門家たちが使用していたIISはLinuxサポートを打ち切ったばかりだったからです。この「業界」にはアンチ商業主義の精神があり、セキュリティ専門家はみなbugtraqを熱心に読んでいました。
- 私はユーザーコミュニティーと直接的な関係を作ることができ、日夜バグレポートを分析して、機能のリクエストを検討しました。
- 最後の点として、私はこの仕事に多くの心血を注ぎ込みました。何か月もの間、私は午前5時まで働き、Nessusが全体としてより強力にするために、解明も文書化もされていないプロトコルをリバースエンジニアリングしました。
上記の4つの点について考えると、成功を収めている多くの製品で指針となる次の原則について理解できます。
- 最初は、満たされていないニーズ(初期のNessusの場合はグラフィカルインターフェースでした)を識別し、それを実現します。
- 2番目に、業界の勢力について理解します。つまり、競合しない分野を探ります。
- 3番目は、対象としているユーザーとコミュニティーを知ることです。
- 4番目に、ライバルよりも懸命に働きます。
これらの原則が鍵となります。現在のNessusの目標が当初の目標と同じであることが分かります。つまり、目標は、ユーザーにネットワークセキュリティに関する外部者の視点を与え、それを改善するためのガイダンスを示すツールを提供することです。
Nessus:将来の見通し
2018年、ネットワークはかつてないほど複雑になり、セキュリティのガイダンスはこれまで以上に必要とされています。専門家のセキュリティ手段としてのNessusの役割は、BYOD、IoT、パブリッククラウドなどが用いられる現代において、これ以上ないほど重要になっています。当社のチームは、こうした要求に応えて、Nessusを最新のIT環境により一層適応させるべく、Nessusの改良に鋭意取り組んでいます。
- 今年度末までに、スケール能力の優れた新しいエンジンをリリースする予定です。特に、Windowsプラットフォームでこの能力を発揮します。
- また、Nessusのインストール時間を大幅に短縮するようにも懸命な努力を払っています。「プラグインを処理しています」という進行状況バーは、間もなく過去のものとなります。
- Tenable Researchチームは、当社の重要なライブラリ(SSHで行っていた作業など)の一部のリファクタリングを行い、今後、より多くの環境で動作し、より複雑で信頼性の高いチェックを実行できるよう努力しています。
こうした変更によって、ローエンドのクラウドインスタンスなど、リソースが比較的少ないシステムでもNessusが簡単にインストールできるようになります。また、インストール時間の短縮により、システム間でスキャナーを移動させるのもさらに簡単になります。
Nessusのユーザーコミュニティーのおかげ
最後になりますが、Nessusがこれまで成功を収めることができていることを、ユーザーコミュニティーの皆様に感謝申し上げます。あなたのご意見をお聞かせください。
Nessusのユーザーで、語ることのできるストーリーがあり、それを動画でシェアしてくださるなら、私とTenableチームに会いに来てください。 サンフランシスコで、4月16日から20日に開かれるRSAカンファレンス(ブース#4301、Moscone North)でお待ちしています。
未来と、未来に私たちがどのように貢献できるかが楽しみです。
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