qemu-kvm-rhevの更新プログラムが、Red Hat Virtualization 4 for Red Hat Enterprise Linux 7で利用可能になりました。

Red Hat製品セキュリティは、この更新がセキュリティに及ぼす影響を重要度高と評価しています。詳細な重要度評価を示すCVSS（共通脆弱性評価システム）ベーススコアは、「参照」セクションのCVEリンクから脆弱性ごとに入手できます。

KVM（カーネルベース仮想マシン）は、さまざまなアーキテクチャのLinux向けの完全な仮想化ソリューションです。qemu-kvm-rhevパッケージは、Red Hat製品が管理する環境において、KVMを使用する仮想マシンを実行するユーザー空間コンポーネントを提供します。

セキュリティ修正プログラム：

* 最新のマイクロプロセッサー設計の多くで、ロード/ストア命令（広く使用されているパフォーマンスの最適化）の投機的実行の実装方法に、業界レベルの問題が発見されました。これは、権限コードに存在する正確に定義された命令シーケンスに加えて、最近のメモリ書き込みが発生したアドレスからのメモリ読み取りが古い値を参照し、続いて実際にはコミットしない（破棄される）投機的実行の命令に対してもマイクロプロセッサーのデータキャッシュへの更新が行われる可能性があるという事実に基づきます。その結果、権限のない攻撃者がこの欠陥を悪用して、標的にキャッシュサイドチャネル攻撃を実行し権限メモリを読み取る可能性があります。（CVE-2018-3639）

Red Hatはこの問題を報告してくれたKen Johnson氏（Microsoft Security Response Center）とJann Horn氏（Google Project Zero）に感謝の意を表します。

注：これは、AMDプロセッサーを搭載したホストで実行されているゲストのサポートを含む、qemu-kvm-rhevに対応するCVE-2018-3639緩和策です。

バグ修正プログラム：

*以前は、SCSI-2デバイスにデバイスパススルーを使用すると失敗し、「Illegal Request」エラーが返されました。この更新プログラムでは、QEMUエミュレーターはパススルーを実行するときにデバイスのSCSIバージョンをチェックするようになります。その結果、前述の問題は発生しなくなります。
（BZ#1571370）

*特定の状況下で、一時停止したゲストを再開すると、libvirtログに余計な「VIR_DOMAIN_PAUSED_UNKNOWN」エラーメッセージが生成されました。この更新プログラムで、ゲストを再開したときのイベント送信順序が修正され、エラーが記録されなくなります。（BZ#1582122）

拡張機能：

*この更新プログラムでは、Cephストレージは、Red HatがサポートするすべてのCPUアーキテクチャにおいてKVM仮想化によってサポートされるようになりました。（BZ#1588001）

検出

RHEL 7：qemu-kvm-rhev（RHSA-2018：2060）（Spectre）

medium Nessus プラグイン ID 110795

バージョン 1.14