RHEL 6:カーネル(RHSA-2013:1519)

medium Nessus プラグイン ID 78978

概要

リモート Red Hat ホストに 1 つ以上のセキュリティ更新がありません。

説明

2 つのセキュリティ問題と複数のバグを修正する更新済みのカーネルパッケージが、Red Hat Enterprise Linux 6.2 Extended Updated Support で現在利用可能です。

Red Hat セキュリティレスポンスチームは、この更新には重大なセキュリティ上の影響があると評価しています。詳細な重要度の評価を提供する Common Vulnerability Scoring System (CVSS)のベーススコアが、「参照」セクションの CVE リンクの各脆弱性に対して利用可能です。

カーネルパッケージには Linux オペレーティングシステムのコアである Linux カーネルが含まれています。

ext4 ファイルシステムを使用する際、非同期の I/O が fallocate() と相互作用する過程に、競合状態が見つかりました。ローカルの権限のないユーザーは、この欠陥を悪用して、データブロックがまだ書き込まれていないエクステント(つまり削除したファイルのデータ含むもの)からランダムなデータを表示することができます。(CVE-2012-4508、重要度高)

* 特定の状況下で Linux カーネルのデバイスマッパーサブシステムがスナップショットブロックデバイスに書き込まれたデータを解釈する方法で、情報漏洩の欠陥が見つかりました。攻撃者が、この欠陥を利用して、通常アクセス可能でない空き領域のディスクブロックからデータを読み込む可能性があります。
(CVE-2013-4299、重要度中)

Red Hat は、CVE-2012-4508 を報告してくれた Theodore Ts’o 氏と、CVE-2013-4299 を報告してくれた富士通に感謝の意を表します。Upstream は、Dmitry Monakhov を CVE-2012-4508 の最初の報告者と認識しています。

この更新は以下のバグも修正します:

* Audit サブシステムが重負荷状態なると、エラーリカバリーコードの実行にフェイルオーバーする代わりに audit_log_start() 関数で無限ループが発生する可能性があります。これにより、カーネルでソフトロックアップが引き起こす可能性があります。この更新により、audit_log_start() 関数のタイムアウト条件が変更されており、必要に応じて適切にフェイルオーバーします。(BZ#1017898)

* Memory Type Range Registers(MTRRs)を取り扱う際、stop_one_cpu_nowait() 関数が stop_machine() 関数に並行して実行される可能性があり、その場合デッドロックが発生しました。MTRR 処理ロジックでは stop_machine() 関数が使用され、相互排除を利用して前述のデッドロックが回避されるようになりました。(BZ#1017902)

* 電源制限通知割り込みがデフォルトで有効でした。これにより、システムパフォーマンスの劣化、または Dell PowerEdge サーバーなどの特定のプラットフォームで、システムが使用不可能な状態が発生する可能性があります。
電源制限通知割り込みはデフォルトで無効になり、新しいカーネルコマンドラインパラメーター「int_pln_enable」が追加されています。これによりユーザーは、既存のシステムカウンターを使用してこれらのイベントを観察できます。電源制限通知メッセージも、コンソールに表示されなくなりました。影響されるプラットフォームは、この問題によって劣化したシステムパフォーマンスの悪影響を受けることがなくなりました。(BZ#1020519)

*パッケージレベルの熱的制限および電源制限イベントは、x86 アーキテクチャの MCE エラーとして定義されていません。ただし、mcelog ユーティリティによってこれらのイベントが、下記のメッセージで MCE エラーとして誤って報告されていました:

kernel:[Hardware Error]:マシンチェックイベントがログされます

パッケージレベルの熱的制限および電源制限イベントは、mcelog により MCE エラーとして報告されることがなくなりました。これらのイベントが引き起こされた際、これらは sysfs の各カウンターにのみ報告されるようになりました(特に、/sys/devices/system/cpu/cpu<number>/thermal_throttle/)。(BZ#1021950)

* CPU アクセラレータの計算の設計が不十分なため、新しいカーネルにブートインするために kexec を使用する前にシステムのアップタイムが 208 日を超えると、set_cyc2ns_scale() 関数で算術オーバーフローが発生する可能性があります。このオーバーフローにより、Time Stamp Counter(TSC)クロックソースを使用するシステム上でカーネルパニックが発生しました。これは主に、ソフトパワーサイクルで TSC をリセットしない Intel Xeon E5 プロセッサを使用するシステムです。パッチが適用され、この計算を修正して、これらの状況で算術オーバーフローおよびカーネルパニックが発生しないようにします。(BZ#1024453)

カーネルの全ユーザーは、バックポートされたパッチが含まれるこれらの更新済みパッケージへアップグレードし、これらの問題を修正することが推奨されます。この更新を有効にするには、システムを再起動する必要があります。

ソリューション

影響を受けるパッケージを更新してください。

参考資料

https://access.redhat.com/errata/RHSA-2013:1519

https://access.redhat.com/security/cve/cve-2012-4508

https://access.redhat.com/security/cve/cve-2013-4299

プラグインの詳細

深刻度: Medium

ID: 78978

ファイル名: redhat-RHSA-2013-1519.nasl

バージョン: 1.14

タイプ: local

エージェント: unix

公開日: 2014/11/8

更新日: 2021/1/14

サポートされているセンサー: Frictionless Assessment AWS, Frictionless Assessment Azure, Frictionless Assessment Agent, Nessus Agent, Agentless Assessment, Nessus

リスク情報

VPR

リスクファクター: Medium

スコア: 6.1

CVSS v2

リスクファクター: Medium

基本値: 6

ベクトル: CVSS2#AV:N/AC:M/Au:S/C:P/I:P/A:P

脆弱性情報

CPE: p-cpe:/a:redhat:enterprise_linux:kernel, p-cpe:/a:redhat:enterprise_linux:kernel-debug, p-cpe:/a:redhat:enterprise_linux:kernel-debug-debuginfo, p-cpe:/a:redhat:enterprise_linux:kernel-debug-devel, p-cpe:/a:redhat:enterprise_linux:kernel-debuginfo, p-cpe:/a:redhat:enterprise_linux:kernel-debuginfo-common-i686, p-cpe:/a:redhat:enterprise_linux:kernel-debuginfo-common-s390x, p-cpe:/a:redhat:enterprise_linux:kernel-debuginfo-common-x86_64, p-cpe:/a:redhat:enterprise_linux:kernel-devel, p-cpe:/a:redhat:enterprise_linux:kernel-doc, p-cpe:/a:redhat:enterprise_linux:kernel-firmware, p-cpe:/a:redhat:enterprise_linux:kernel-headers, p-cpe:/a:redhat:enterprise_linux:kernel-kdump, p-cpe:/a:redhat:enterprise_linux:kernel-kdump-debuginfo, p-cpe:/a:redhat:enterprise_linux:kernel-kdump-devel, p-cpe:/a:redhat:enterprise_linux:perf, p-cpe:/a:redhat:enterprise_linux:perf-debuginfo, p-cpe:/a:redhat:enterprise_linux:python-perf, p-cpe:/a:redhat:enterprise_linux:python-perf-debuginfo, cpe:/o:redhat:enterprise_linux:6, cpe:/o:redhat:enterprise_linux:6.2

必要な KB アイテム: Host/local_checks_enabled, Host/RedHat/release, Host/RedHat/rpm-list, Host/cpu

パッチ公開日: 2013/11/13

脆弱性公開日: 2012/12/21

参照情報

CVE: CVE-2012-4508, CVE-2013-4299

RHSA: 2013:1519