RHEL 5:カーネル(RHSA-2015:1042)

high Nessus プラグイン ID 83968

概要

リモート Red Hat ホストに 1 つ以上のセキュリティ更新がありません。

説明

1 つのセキュリティ問題およびいくつかのバグを修正する、更新済みカーネルパッケージが Red Hat Enterprise Linux 5 で現在利用可能です。

Red Hat 製品セキュリティは、この更新がセキュリティに及ぼす影響を重要度高として評価しています。詳細な重要度評価を示す Common Vulnerability Scoring System(CVSS)ベーススコアは「参照」セクションの CVE リンクで入手できます。

カーネルパッケージには Linux オペレーティングシステムのコアである Linux カーネルが含まれています。

* ベクトルパイプの読み書き機能性の Linux カーネルの実装が、アトミックアクセス操作に失敗した後で再試行する際に、すでに処理されている I/O ベクトルを考慮していないことが判明しました。このため、I/O ベクトル配列オーバーランによるメモリ破損が発生する可能性があります。権限のないローカルユーザーが、この欠陥を利用して、システムをクラッシュさせたり、システムの権限を昇格したりする可能性があります。(CVE-2015-1805、重要度高)

この問題がセキュリティに与える影響は、Red Hat により発見されました。

この更新は次のバグを修正します :

* lpfc_device_reset_handler() 関数のバグにより、scsi コマンドタイムアウトがシステムクラッシュを引き起こす可能性があります。この更新により、 lpfc_device_reset_handler はクラッシュすることなくストレージを復元するようになっています。
(BZ#1070964)

* reclaim_in_progress カウンターを最初に増分せずに滅分するコードにより、vm.max_reclaims_in_progress 機能が 1 にセットされていても、 shrink_zone() 関数で深刻なスピンロック競合が発生していました。この更新により、下層にあるソースコードを修正するパッチが提供され、前述したシナリオのスピンロックの競合が発生しなくなっています。(BZ#1164105)

* 再送信があり、そこから復元された SACK を使用する TCP ソケットが、再送信タイムスタンプのリセットに失敗していました。この結果、特定の接続において、パケットが再送信する必要がある場合、retrans_stamp 変数は、次の ACK パケットが受信された場合にのみ作成されていました。これにより、この次のパケットも失われる場合に、TCP 接続の早期停止が引き起こされる可能性があります。この更新では、復元が完了する際にソケットに retrans_stamp を削除させることによりこのバグを修正しています。
(BZ#1205521)

* 以前は、シグナル配信パスが、TS_USEDFPU フラグを削除していませんでした。これにより、switch_to() 関数で問題が発生し、浮動小数点演算装置(FPU)が破損される可能性があります。この更新により、TS_USEDFPU が予期していた通りに削除され、FPU が破損の脅威にさらされることがなくなっています。(BZ#1193505)

* 以前は、exit_sem() 関数の競合状態により、セマフォのアンドゥリストが破損していました。この結果、カーネルクラッシュが引き起こされる可能性があります。現在では、セマフォのアンドゥリストの破損が修正され、カーネルがこの状況でクラッシュしなくなりました。(BZ#1124574)

* 以前は、「virsh blockresize [Device] [Newsize]」コマンドを実行してディスクのリサイズを行う際、この新しいサイズが Red Hat Enterprise Linux 5 仮想マシン(VM)に反映されていませんでした。この更新により、新しいサイズが Red Hat Enterprise Linux 5 VM にオンラインですぐに反映されるようになりました。そのため、新しいディスクサイズを表示するために VM を再起動する必要がなくなりました。(BZ#1200855)

カーネルの全ユーザーは、バックポートされたパッチが含まれるこれらの更新済みパッケージへアップグレードし、これらの問題を修正することが推奨されます。この更新を有効にするには、システムを再起動する必要があります。

ソリューション

影響を受けるパッケージを更新してください。

参考資料

https://access.redhat.com/errata/RHSA-2015:1042

https://access.redhat.com/security/cve/cve-2015-1805

プラグインの詳細

深刻度: High

ID: 83968

ファイル名: redhat-RHSA-2015-1042.nasl

バージョン: 2.15

タイプ: local

エージェント: unix

公開日: 2015/6/3

更新日: 2019/10/24

サポートされているセンサー: Frictionless Assessment AWS, Frictionless Assessment Azure, Frictionless Assessment Agent, Nessus Agent, Agentless Assessment, Nessus

リスク情報

VPR

リスクファクター: Critical

スコア: 9.2

CVSS v2

リスクファクター: High

基本値: 7.2

現状値: 6.3

ベクトル: CVSS2#AV:L/AC:L/Au:N/C:C/I:C/A:C

脆弱性情報

CPE: p-cpe:/a:redhat:enterprise_linux:kernel-pae, p-cpe:/a:redhat:enterprise_linux:kernel-debug-devel, p-cpe:/a:redhat:enterprise_linux:kernel-doc, p-cpe:/a:redhat:enterprise_linux:kernel-pae-devel, p-cpe:/a:redhat:enterprise_linux:kernel-debug-debuginfo, p-cpe:/a:redhat:enterprise_linux:kernel-kdump-debuginfo, p-cpe:/a:redhat:enterprise_linux:kernel-devel, p-cpe:/a:redhat:enterprise_linux:kernel, p-cpe:/a:redhat:enterprise_linux:kernel-debuginfo, p-cpe:/a:redhat:enterprise_linux:kernel-xen-devel, cpe:/o:redhat:enterprise_linux:5, p-cpe:/a:redhat:enterprise_linux:kernel-headers, p-cpe:/a:redhat:enterprise_linux:kernel-debuginfo-common, p-cpe:/a:redhat:enterprise_linux:kernel-kdump-devel, p-cpe:/a:redhat:enterprise_linux:kernel-debug, p-cpe:/a:redhat:enterprise_linux:kernel-pae-debuginfo, p-cpe:/a:redhat:enterprise_linux:kernel-kdump, p-cpe:/a:redhat:enterprise_linux:kernel-xen-debuginfo, p-cpe:/a:redhat:enterprise_linux:kernel-xen

必要な KB アイテム: Host/local_checks_enabled, Host/RedHat/release, Host/RedHat/rpm-list, Host/cpu

エクスプロイトが利用可能: true

エクスプロイトの容易さ: Exploits are available

パッチ公開日: 2015/6/2

参照情報

CVE: CVE-2015-1805

BID: 74951

RHSA: 2015:1042