Scientific Linux セキュリティ更新:SL5.x i386/x86_64 のカーネル

high Nessus プラグイン ID 83969

概要

リモート Scientific Linux ホストに 1 つ以上のセキュリティ更新がありません。

説明

- ベクトルパイプの読み書き機能性の Linux カーネルの実装が、アトミックアクセス操作に失敗した後で再試行する際に、すでに処理されている I/O ベクトルを考慮していないことが見つかりました。このため、I/O ベクトル配列オーバーランによるメモリ破損が発生する可能性があります。権限のないローカルユーザーが、この欠陥を利用して、システムをクラッシュさせたり、システムの権限を昇格したりする可能性があります。(CVE-2015-1805、重要度高)

この更新は次のバグを修正します :

- lpfc_device_reset_handler() 関数のバグにより、scsi コマンドタイムアウトがシステムクラッシュを引き起こす可能性があります。この更新により、 lpfc_device_reset_handler はクラッシュすることなくストレージを復元するようになっています。

- reclaim_in_progress カウンターを最初に増分せずに滅分するコードにより、vm.max_reclaims_in_progress 機能が 1 にセットされていても、shrink_zone() 関数で深刻なスピンロック競合が発生していました。この更新により、下層にあるソースコードを修正するパッチが提供され、前述したシナリオのスピンロックの競合が発生しなくなっています。

- 再転送があり、そこから復元された SACK を使用する TCP ソケットが、再転送タイムスタンプのリセットに失敗していました。この結果、特定の接続において、パケットが再送信する必要がある場合、retrans_stamp 変数は、次の ACK パケットが受信された場合にのみ作成されていました。これにより、この次のパケットも失われる場合に、TCP 接続の早期停止が引き起こされる可能性があります。この更新では、復元が完了する際にソケットに retrans_stamp を削除させることによりこのバグを修正しています。

- 以前は、シグナル配送経路が TS_USEDFPU フラグを消去しませんでした。それにより、switch_to() 関数に問題が生じ、浮動小数点ユニット(FPU)の破損の可能性がありました。この更新により、TS_USEDFPU が予期していた通りに削除され、FPU が破損の脅威にさらされることがなくなっています。

- 以前は、exit_sem() 関数の競合状態により、セマフォの undo リストが破損を起こしました。この結果、カーネルクラッシュが引き起こされる可能性があります。現在では、セマフォのアンドゥリストの破損が修正され、カーネルがこの状況でクラッシュしなくなりました。

- 以前は、「virsh blockresize [Device] [Newsize]」コマンドを実行してディスクのリサイズを行う際、この新しいサイズが Scientific Linux 5 仮想マシン(VM)に反映されていませんでした。この更新により、新しいサイズが Scientific Linux 5 VM にオンラインですぐに反映されるようになりました。そのため、新しいディスクサイズを表示するために VM を再起動する必要がなくなりました。

この更新を有効にするには、システムを再起動する必要があります。

ソリューション

影響を受けるパッケージを更新してください。

参考資料

http://www.nessus.org/u?445adbb2

プラグインの詳細

深刻度: High

ID: 83969

ファイル名: sl_20150602_kernel_on_SL5_x.nasl

バージョン: 2.8

タイプ: local

エージェント: unix

公開日: 2015/6/3

更新日: 2021/1/14

サポートされているセンサー: Nessus Agent, Nessus

リスク情報

VPR

リスクファクター: Critical

スコア: 9.2

CVSS v2

リスクファクター: High

基本値: 7.2

ベクトル: CVSS2#AV:L/AC:L/Au:N/C:C/I:C/A:C

脆弱性情報

CPE: p-cpe:/a:fermilab:scientific_linux:kernel, p-cpe:/a:fermilab:scientific_linux:kernel-pae, p-cpe:/a:fermilab:scientific_linux:kernel-pae-debuginfo, p-cpe:/a:fermilab:scientific_linux:kernel-pae-devel, p-cpe:/a:fermilab:scientific_linux:kernel-debug, p-cpe:/a:fermilab:scientific_linux:kernel-debug-debuginfo, p-cpe:/a:fermilab:scientific_linux:kernel-debug-devel, p-cpe:/a:fermilab:scientific_linux:kernel-debuginfo, p-cpe:/a:fermilab:scientific_linux:kernel-debuginfo-common, p-cpe:/a:fermilab:scientific_linux:kernel-devel, p-cpe:/a:fermilab:scientific_linux:kernel-doc, p-cpe:/a:fermilab:scientific_linux:kernel-headers, p-cpe:/a:fermilab:scientific_linux:kernel-xen, p-cpe:/a:fermilab:scientific_linux:kernel-xen-debuginfo, p-cpe:/a:fermilab:scientific_linux:kernel-xen-devel, x-cpe:/o:fermilab:scientific_linux

必要な KB アイテム: Host/local_checks_enabled, Host/cpu, Host/RedHat/release, Host/RedHat/rpm-list

エクスプロイトが利用可能: true

エクスプロイトの容易さ: Exploits are available

パッチ公開日: 2015/6/2

脆弱性公開日: 2015/8/8

参照情報

CVE: CVE-2015-1805