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Tenable ブログ

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コンテナ化をマスターする: 主要な戦略とベストプラクティス

クラウドセキュリティ - コンテナを保護する方法

組織によるインフラの近代化において、コンテナは比類のない柔軟性と拡張性を実現しますが、その一方で独自のセキュリティ上の課題ももたらします。 このブログ記事では、コンテナセキュリティの課題について説明し、主な脅威を特定して、新たにリリースされた Tenable Enclave Security によってコンテナの安全をどのように維持できるかを紹介します。

コンテナはエンタープライズ IT を変えつつあり、現代のアプリ開発には欠かせないものとなっています。 私はサイバーセキュリティに携わってきたこの 20 年間で、テクノロジーが効率性を実現するものから、セキュリティ対策がおろそかにされたために脆弱な攻撃ポイントになるまでの変遷を目の当たりにしてきました。 コンテナもその例外ではありません。 コンテナは比類のない柔軟性とスケーラビリティを提供しますが、同時に特有の脆弱性をもたらします。それが修正されない場合には、組織全体のセキュリティ態勢を弱体化させる可能性があります。

コンテナの進化とセキュリティの必要性

コンテナは、組織がソフトウェア開発とデプロイメントにアプローチする方法を劇的に変えました。 コンテナは、アプリケーションとその依存関係を単一の転送可能なユニットにまとめることで、さまざまな環境におけるソフトウェアの動作を一貫性のあるものにします。 これによって反復作業やデプロイメントが迅速化するため、開発チームにとっては大きな変化です。 一方で、こうした柔軟性によってセキュリティ環境が複雑化するため、開発プロセスにセキュリティを組み込むためのアプローチ方法を変えていく必要があります。

従来の仮想マシンとは対照的に、コンテナは軽量で、ホストオペレーティングシステムのカーネルに依存しており、パブリックレジストリとプライベートレジストリの両方の共有イメージを頻繁に利用します。 このような相互依存関係があると、環境内では 1 つの弱点に起因して連鎖反応的に複数の結果が生じるようになります。このことは、コンテナセキュリティが単に推奨される対策ではなく不可欠なものであり、重要であるという事実を浮き彫りにしています。

環境内で 1 つのベースイメージによって何千もの攻撃ポイントが生じる可能性があるため、ベースイメージの脆弱性を把握して、後続のイメージへの伝播を抑えることが極めて重要です。

コンテナの作成時からセキュリティ対策が必要な理由

ベンジャミン・フランクリンは「予防は治療に勝る」との格言を残しましたが、これはコンテナの状況に特に当てはまります。 コンテナ化環境のセキュリティは、コンテナライフサイクルの最初の段階、つまりコンテナ作成段階で下される決定にかかっています。 以下にその理由を示します。

  1. セキュリティ負債の落とし穴の回避: コンテナイメージに最初から脆弱性が埋め込まれていると、セキュリティ負債が蓄積されます。 コンテナが開発環境から本番環境に移行するにつれ、こうした脆弱性に対処することがますます難しくなり、コストもかかるようになります。これは急速に進化する DevOps 環境で特に顕著です。 自動化された脆弱性スキャンや安全な設定管理などのセキュリティ対策を早い段階で取り入れることで、エクスポージャーがより大規模で複雑な問題に発展し、解決に多大なリソースを必要とするようになる事態を防ぐことができます。
  2. サプライチェーンの脅威を軽減: 多くの場合、コンテナはさまざまなサードパーティのライブラリやコンポーネントに依存しているため、慎重に検証しないと脆弱性が生じる可能性があります。 依存関係のスキャンや検証などのセキュリティチェックを作成段階で取り入れることで、有害なコードや悪意のあるコードがコンテナイメージに組み込まれるリスクを抑えることができます。 このアプローチによって、自組織のコードが保護されるだけでなく、より広範囲にわたりソフトウェアのサプライチェーン全体が強化されます。
  3. 堅牢なランタイムセキュリティの確保:アクセス制御、リソース制限、ネットワークポリシーなど、コンテナの作成時に設計された設定は、ランタイムにおけるセキュリティ態勢に直接影響します。 セキュリティを考慮して構築されたコンテナは、権限昇格やコンテナエスケープといった一般的な攻撃の影響を受けにくくなるため、アタックサーフェスが削減され、ランタイム環境が保護されます。
  4. 防御戦略としてのレイヤーの分析: コンテナはレイヤーと呼ばれる階層で構成されており、各レイヤーはイメージ形成プロセスにおける異なるステップを象徴しています。 この複雑な構造は効果的ではあるものの、未公開の弱点を含んでいる可能性があります。 各フェーズで潜在的なリスクを認識して対処するには、レイヤーそれぞれの包括的な分析が不可欠です。 各レイヤーを検証し、不要な部分を取り除き、すべてのレイヤーが最新であり特定された脆弱性がないことを確認することで、コンテナ全体のセキュリティを強化できます。 セキュリティ手順においてレイヤーを常に確認することで、新たな脆弱性の見落としを防ぐことができます。
  5. 継続的なセキュリティ監視の準備: セキュリティ対策を早い段階で統合すると、コンテナのライフサイクル全体を通じた継続的な監視が可能になります。 予防型のアプローチを採用することで、脅威を即座に特定して対応できるようになります。その結果、潜在的な脆弱性が悪用される前に、検出と対処を確実かつタイムリーに行えるようになります。

コンテナ攻撃のリスクの高さ: 何がリスクにさられているのか?

コンテナ侵害の潜在的な影響を把握することは、先行的なセキュリティ対策の重要性を理解する上で欠かせません。 最も差し迫った脅威とその影響について、以下で詳しく説明します。

  1. イメージポイズニング: 悪意のある攻撃者が有害なコードを注入したり、弱点を悪用したりすることで、コンテナイメージを侵害する可能性があります。 これは、脆弱な開発者環境からパブリックレジストリやプライベートレジストリに至るまで、サプライチェーンのさまざまな段階で発生すると考えられます。 さらに悪いことに、こういった有害なイメージが最初に攻撃で使われた後で修正されないと、さらなる攻撃を仕掛けるために再利用され、攻撃者が不正アクセスしてデータを盗むなどの結果を招くこともあるのです。
    • 影響: イメージポイズニングによって、攻撃者は長期的な影響力を容易に維持できるようになります。 コンテナレジストリが侵害され、攻撃者が複数のコンテナに変更を加えられるようになると、永続的なペイロード、マルウェア、抽出用のコードがコンテナに追加され、そのコンテナが起動されるたびにコードが実行されるようになる可能性があります。 汚染されたイメージは、複数の環境にまたがる広範な侵害につながる可能性があるため、デプロイメント用に標準化イメージを利用している組織では特に注意が必要です。
  2. ランタイムエクスプロイト: コンテナは設計上同じ OS カーネルを共有しているため、分離が不十分であるとカーネルレベルの攻撃を受けやすくなります。 悪意のある個人がこれらの弱点を利用することで、コンテナを脱出し、ホストシステムを乗っ取り、同じホスト上の他のコンテナに到達する可能性があります。
    • 影響: ランタイムエクスプロイトが成功するとホストシステムは完全に侵害され、攻撃者はネットワーク全体を自由に移動できるようになります。 その結果、完全な侵害、データの損失、重要なサービスの中断が生じ、組織の安定した運用に長期的なダメージを与える可能性があります。
  3. コンテナエスケープ: コンテナエスケープは、攻撃者がコンテナの隔離された環境から脱出してホストシステム上でコードを実行した場合に発生します。 これは、設定ミス、パッチ未適用の脆弱性、権限昇格攻撃などによって発生する可能性があります。
    • 影響: コンテナの侵害により、ホストシステム全体が危険にさらされ、重要なデータやシステムへの不正アクセスにつながる可能性があります。 その結果は重大なものとなりかねず、包括的なインシデント対応措置が必要となり、規制当局による罰則や顧客からの信頼の喪失を招くこともあります。
  4. サプライチェーン攻撃: コンテナは外部のコンポーネントに依存することが多いため、サプライチェーン攻撃に対して特に脆弱です。 こういったインシデントでは、攻撃者がコンテナイメージに脆弱性を埋め込むために依存関係やレジストリサービスを侵害します。
    • 影響: サプライチェーン攻撃は目立たないことが多く、さまざまな環境に広がるまで気づかれないのが一般的です。 この攻撃を受けると、発生したセキュリティ侵害を追跡して修正することが難しいため、脅威にさらされる時間が長引き、業務に大きな支障をきたす可能性があります。

コンテナを保護するためのチェックリスト

コンテナのセキュリティ確保には、コンテナライフサイクルのあらゆる段階に対応する多面的なアプローチが必要です。 以下に 5 つの主な戦略を挙げます。 包括的なチェックリストを確認するには、ホワイトペーパー Checklist: Securing containers from development to runtime (チェックリスト: 開発からランタイムまでのコンテナのセキュリティ確保) をご覧ください。 

  1. セキュア・バイ・デザイン: 最初からセキュリティをコンテナ開発プロセスに組み込みます。 自動化ツールを使用して、脆弱性の有無をスキャンし、コンテナのデプロイメント前に安全な設定を適用します。
  2. 定期的な脆弱性スキャン: 新たな脆弱性が次々と発生するため、 定期的な脆弱性スキャンを運用に取り入れることはコンテナの安全を維持する上で欠かせません。 スキャンはイメージレジストリに対して、あるいは CI/CD パイプラインの一環として実施する必要があり、脆弱性が検出された場合にはイメージの再構築と再デプロイメントが必要になります。 パッチ管理を自動化することで、迅速に、かつ一貫した方法で脆弱性に対処できるようにします。
  3. レイヤー分析: コンテナイメージの徹底的なレイヤー分析を実施します。 各レイヤーで脆弱性の有無をスキャンして、不要なコンポーネントを削除し、すべてのレイヤーが最新であることを確認します。 このプロセスは繰り返し実施し、新たな脅威に対処するために定期的に再評価を行う必要があります。 すべてのイメージレイヤーに対して、悪意のある既知のコードの検索を定期的に実行し、侵害を特定します。
  4. 脆弱性の修正に対する優先順位付け: 脆弱性に対して効果的に優先順位を付けないと、組織はセキュリティリスクの制御を瞬く間に失う可能性があります。 脅威インテリジェンスを使用して、最初に何を修正すべきかの優先順位付けを行うコンテナセキュリティソリューションを選択します。 
  5. 信頼できるベースイメージの使用: 検証済みの信頼できるソースから得たベースイメージのみを使用します。 これらのイメージに脆弱性がないか定期的にスキャンして、セキュリティアップデートを組み込むために頻繁に再構築します。

Tenable Enclave Security によるコンテナの保護

このたび、高度にセキュアな環境で IT およびコンテナの脆弱性を明らかにし、解決できるように設計された新製品 Tenable Enclave Security がリリースされましたことを発表いたします。 

Tenable Enclave Security を使用すると、IT 資産とコンテナイメージのリスクを迅速に把握し、脆弱性を明らかにしてその影響の大きさを理解し、優先順位スコアを使用してエクスポージャーを解決できるため、スピーディーな修正作業が可能になります。 Tenable Enclave Security は、初期段階からセキュリティを組み込むことでコンテナを保護します。そのため DevOps チームは、コンテナの脆弱性を本番投入前に難なく迅速に検出して修正し、注意が必要なすべてのイメージ、レイヤー、パッケージを徹底的に分析して、リスクを低減し、コンテナ化環境の完全性を確保できます。 脆弱性の優先順位スコアを利用すると最も重要な脆弱性に労力を集中させることができるため、脆弱性オーバーロードを軽減し、生産性を最大化することができます。 

高度にセキュアな環境向けに特別に構築された Tenable Enclave Security は、機密扱いの環境や隔離された環境で業務を行う組織や、FedRAMP High または Impact Level 5 を必要とする連邦政府機関など、クラウドセキュリティとデータレジデンシーの要件が厳しい組織のニーズに対応します。 Tenable Enclave Security は、政府機関がコンテナ環境を保護するための主要な標準とガイドライン (米国国立標準技術研究所 (NIST) の SP 800-190、Center for Internet Security (CIS) の Docker ベンチマーク、CIS Kubernetes ベンチマークなど) に準拠できるように支援します。 

まとめ

刻々と変化するサイバーセキュリティ領域において、コンテナは潜在的なメリットだけでなく障害ももたらします。 コンテナは柔軟性と創造性を促進する一方で、先行的かつ徹底したセキュリティ戦略を必要とします。 組織は最初からセキュリティを統合し、包括的なレイヤー検査を実施し、定められた政府のガイドラインに従うことで、リスクを大幅に低減し、コンテナ化されたセットアップの信頼性を保護することができます。

私は経験上セキュリティ対策を無視した結末を目の当たりにしてきました。 コンテナのライフサイクル全体を通じてセキュリティを優先する組織こそが、コンテナテクノロジーを採用して活用する取り組みにおいて成功を収めることができるでしょう。 このコンテナ化の世界を進んでいくなかで、常に警戒を怠らず、知識を蓄え、システムの未来を守るための取り組みを確固たる姿勢で献身的に行っていきましょう。

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